都市交通における環境的に持続可能な交通(EST)の普及方策に関わる研究
社団法人 交通工学研究会 平成17,18年度自主研究
社団法人 交通工学研究会 平成19年度研究展開検討小委員会
1.代表者:山本俊行(名古屋大学)
2.研究の目的と意義:
平成17年2月16日の京都議定書発効に伴い、わが国において2008年から2012年までの間に温室効果ガス排出量を基準年(1990年)比6%の削減を行うことが定められ、国の実行計画が策定されている。近年の運輸部門では、貨物自動車や公共交通機関等からの排出量の伸びがさほど大きくないのに対し、自家用車の利用は増加し、乗車効率も低下していることから基準年比50.3%増と大きく伸びている。このため、道路や公共交通インフラの整備レベルが多様なわが国の都市に応じ、環境的に持続可能な交通(EST)の取組みを進め、実効を伴う温室効果ガス排出削減を進める必要があるが、普及定着に向けた知見やモデル事業の蓄積は充分で無い。 そこで、公共交通機関の利用を促進し、自家用自動車に過度に依存しないなど、環境負荷の小さい交通への転換に向けて、各地方自治体はどのようなことをしなければならないか、また、各地方自治体がとりうるEST(通勤交通マネジメント型EST、LRT・BRT等を用いたEST、観光都市におけるESTなど)の事例検討・整理など、(仮称)「EST国内普及のススメ(案)」の作成に向け、国において実施されるESTモデル事業と連携の上、産官学の研究者により研究を進める。
3.研究概要
公共交通機関の利用促進による環境負荷の小さい交通への転換を図るため、各地方自治体はどのようなことをしなければならないか、社会基盤整備レベルが異なる都市ではどのようなことをしなければならないか、国において平成17年度より実施するESTモデル事業と連携の上、先行して検討をおこなう。
○平成17年度
国内外の事例収集
ESTの事例検討・整理 (通勤交通マネジメント型EST、LRT・BRT等を用いたEST、観光都市におけるESTなど)
日本版ESTの提案
○平成18年度
ESTモデル事業実施都市の先行レビュー
CO2削減効果の算定手法の開発とCO2削減のために効果的な施策についての検討
(仮称)「EST国内普及のススメ(案)」の作成
○平成19年度以降
EST普及定着のためのセミナー開催など
4.活動内容
臨時懇談会:「フォルクスワーゲン・ドイツ本社担当によるEST取り組みについて」(平成17年9月27日(火),日本能率協会2階201号研修室)
第25回交通工学研究発表会における パネル展示(平成17年11月15日(火)〜16日(水),砂防会館別館3階会議室)
交通エコロジー・モビリティ財団より環境的に持続可能な交通(EST)の先進事例に関する調査業務を受託(交通エコロジー・モビリティ財団のESTポータルサイトはこちら)
第26回交通工学研究発表会における パネル展示(平成18年11月1日(水)〜2日(木),砂防会館別館3階会議室)
スペイン,ブルゴスCiViTAS プロジェクト視察,2007年3月7-11日 報告書,写真[アクセスマネジメント],[自転車道],[自転車共同利用],[バス],[駐車マネジメント],[マーケティング],[交通管制センター],[歩行者空間完成式],[河岸緑化],[教会],[ブルゴス大学],[城跡からの景色],[その他]
活動報告書: 山本俊行 他:都市交通における環境的に持続可能な交通(EST)の普及方策に関わる研究,交通工学,Vol. 42, 増刊号, 2007.
第27回交通工学研究発表会での活動報告(平成19年11月14日(水)〜15日(木),砂防会館別館3階会議室)